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盆休みに出かけた万博公園 ひまわりフェスタから、ヒマワリと太陽の塔です。

  

   

毎日放送の日曜劇場で放映されている「サマーレスキュー ~天空の診療所~」の脚本をもとに書き下ろされた文庫が気になり、買ってきて一気に読んでしまいました。

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テレビドラマの脚本が先にあり、その脚本をもとに、テレビでは省略されていた稜ヶ岳に小さな診療所が誕生するきっかけの話が加えられており、テレビドラマのプロローグ的な感じになっていました。

   

このドラマが実話をもとにして書かれていることは伝えれていましたが、その詳細があとがきに書かれていました。

  

ドラマの倉木医師(時任三郎)のモデルとなったのが、あとがきを書かれている香川大学医学部附属病院手術部部長 臼杵 尚志先生で、実際に夏山診療所の運営に従事されています。

もとは岡山大学医学部におられた時に活動を開始され、香川大学へ移動された後は、両大学の共同運営として行われているとのことです。

その岡山大学医学部で夏山診療が開始されたのが、昭和39年とのことですから、すごく歴史があるものです。

  

まったく知りませんでしたが、「日本登山医学会」というのもあり、現在では、北アルプスの多くの山に各大学から夏山診療所が開設・運営されているようです。<夏山診療所

しかし、その運営の基本は、医師・看護師・医学生が自らの休暇を利用して、旅費や宿泊費を個人負担して行うボランティア活動だそうです。

  

ボランティアでありながら、その医師に求められる力は相当なものと思われます。

あとがきに書かれていますが、

「診断や治療指針の判断材料は、医師による目と耳と手を使った診察の結果が主である。同時に、一度の新札のみで判断することも要求される。検査結果を待つことも、一、二日経過を見ることもできない。経過を見るとしても、夕に診た方を翌日の早朝四時から五時にもう一度診る程度である。そして医師がOKを出せば、患者さんはそのまま最低でも数時間の、時には過酷な環境の山行に向かうのであり、NOと言えば、本人だけでなく、同じパーティの全員が予定変更を余儀なくされる。自力での下山が不可能と判断すれば救助ヘリの要請となるが、これには十万円単位で救助費用が発生することもある。診察に際して、山岳保険への加入の有無を必ず尋ねなければならない所以である。」

  

最先端の検査機材などに頼らない本当に医師の原点とも言える環境で診察・診断されているようで、こういうところでの経験は、医師や看護師にとっても大きなものだと思います。

   

今年も夏山登山で多くの遭難事故が発生していますが、ハイキングのような軽装での事故を聞くと、過去の経験が全く生かされていないような気がします。

私自身は、山のことは全く知りませんが、山に登られる方は、「自分は大丈夫」は絶対に有り得ないので、過去の遭難事故の原因をしっかり知って、それに対応できる能力と装備を持って出かけて欲しいものです。

   

ちなみにドラマ「サマーレスキュー」は、今日第5話が放送され、脚本家 秦建日子氏のブログを見ると、昨日最終回(第10話)の脚本が入稿されたそうです。

   

ドラマのこれからの展開もまだまだ気になります。